ひかりTV(2008年08月01日)

我が家は地上波チャンネル以外のテレビを、ケーブルテレビではなく、インターネット回線を使ったサービスで見ている。
これまでオンデマンドTVというサービスだったが、先月他社のものと統合され、ひかりTVという名になった。先日新しい映像を視聴するSTB(セットトップボックス)が送られてきた。

ひかりTV
http://www.hikaritv.net/

この手のサービス、そしてSTBにはちょっとした思い出がある。
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大阪大学で修士課程にいた頃、某通信業者とネットワーク映像伝送の共同研究をしていた。
この時使ったデバイスこそ、このSTBの元祖と言えるものであった。
単純に映像を受け側にストリーミングするだけの端末であったが、非常に性能のいいコーデックを持ったチップが搭載され、数MbpsのMPEG-2映像を遅延少なく伝送でき、感心したものだった。

当時彼らはこの端末を高画質のテレビ会議システムのソリューションとして使おうとしていた。
しかしご存知の通り、SkypeやiChatなど、用に供するには充分のビデオチャットはPCで使え、より高性能なテレビ会議システムはPolycomなど既に競合がいた(この端末はNAT越えができないという泣き所があった)。
正直、その分野への参入は厳しいなぁと思った記憶がある。
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結局彼らは、NAT越えの問題を自前のIPv6通信網に載せることで解決し、テレビ会議ではなく映像伝送デバイスとして世に出した。
コーデックはH.264になり、当時D2端子だったのがHDMIになり、HDにも対応した(最大ビットレートは8Mbpsとのことで、当時と変わっていない)。

ニーズと技術の変化にうまく対応し、世に出たソリューション。
一方、当時私がそのSTBと合わせて研究していた映像対話システムは、まだまだ研究ベース、マイナである。見習って頑張りたいものです。

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携帯フィルタリング(2008年07月23日)

私は仕事柄、携帯電話の教育利用における現状を追うようにしていますが、ここ数ヶ月、携帯電話から特定のサイトへフィルタリングをする規制についての議論が進んでいます。

■MSN産経ニュース:小中生の携帯使用制限へ 懇談会、第1次報告を首相へ提出(2008/5/26)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080526/edc0805261938001-n1.htm

この会議では、コミュニティサイトなどを中心に携帯電話からのアクセスを制限するフィルタリングに留まらず、一定年齢以下では携帯を所持させないようにする規制も視野に入れています。
また総務省の方針によれば、サイトの「悪質さ」を国やキャリアが個別に判断するのではなく、民間の第三者機関により審査する方式も取り入れられるようです。

■マイコミジャーナル:有害な携帯サイトとは? 第三者機関「EMA」が審査基準発表(2008/7/1)
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/07/01/043/

一方、フィルタリングには、悪質と判断されたサイトへのアクセスを制限する「ブラックリスト方式」と、公式サイトなど特定のサイトのみアクセスを許す「ホワイトリスト方式」の二種類があります。
かつてはホワイトリスト方式によるフィルタリングも採られましたが、こちらも総務省の方針により、「有害サイト」に絞りアクセス規制をするブラックリスト方式に移行しそうです(現時点でホワイトリスト方式を保っているのはauのみ)。

■教育情報ポータルサイト:NTTドコモ フィルタリングサービスを「ブラックリスト」方式に変更
http://eduon.jp/news/juku/20080717-000351.html?utm_source=RSS_NEWS&utm_medium=RSS&utm_content=URL


携帯電話の教育利用を考えるにあたり、懸案となりそうなのはコミュニティサイトの規制です。
現状、掲示板・SNS機能を持ったサイトは、ユーザが様々な情報発信ができる特性上、多くの場合「有害サイト」と指定されアクセスが制限されます。
これを回避するためには、各キャリアへそれぞれ決められたフォーマットや手順に従い文書を作り、公式サイトまたは「有害な」サイトでない旨の申請をする必要があります。

高等教育においては現状大きな問題となりませんが、さらに下の年層も視野に入れたいサービス(「東大ナビ」も実は含まれます)を進めるには避けて通れない課題になりそうです。

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手帳探しが止まらない(2008年07月18日)

先週待ちに待ったiPhone 3Gが日本でも発売されました。
ですが手許にはiPod touch。「東大ナビ」の動作確認もあり、「普通」の携帯電話はまだ手放させそうにありません。

iPhone発売に合わせ、iPod touchソフトウェアも2.0になりました。
大きな変更点は日本語入力の改善とmobile me対応。ver.1では狭苦しかった日本語キーボード、随分打ちやすくなりました。これでコピー&ペーストもできるようになれば十分。噂によると開発は進んでいるらしくアップデートが楽しみです。

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mobile meは私にとって待ちに待ったサービスでした。もしかするとiPhoneよりも。

P1000147.jpg

かつて私のスケジュール管理法は紙の手帳でしたが、数年前に今の携帯電話(Nokia 702NK)を手に入れてからはMacとiSyncで同期できるようになったので、スクリプトを書きBluetoothで定期的にiCalカレンダーと同期させていました。
そして半年前にiPod touchを手に入れ、「これぞ究極の手帳だ!」と意気込みましたが、問題はPCとの同期方法でした。
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1)PCとiPod両方で予定を入力・確認
2)リアルタイムで同期
3)オフラインでも使える
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という身勝手な(^^;要求仕様に耐える解決を探した時、iPodの課題はMacと繋がないと予定を同期させられない点です。Google Calenderは素晴しいツールですが、唯一3)が落ちます。

そこでここ2ヶ月程、紙の手帳に回帰していました。
無理なデジタル化は諦める。ひたすらペンで書く。情報は一カ所に集約。これでどうだ。
だが紙の手帳は書き写す手間(コピペ不能)とバックアップがない(無くしたら終わり)ことが少し不満です。

mobile meはオンラインで同期ができます。AppleのPhilip W. Schillerが講演で「Push型サービスだ!」と唱ってしまったために、実際はオンデマンドプル(所謂疑似プッシュ)のため文言撤回に追い込まれましたが、どちらにせよ手動での手間が省けるのは大きな進歩です。

とはいえ暫く紙の手帳を使って、手書きのアドバンテージを思い知りました。
ささっとメモしたいときに、iPodの電源を入れ、パスコードを入力し、メモアプリを立ち上げ…のプロセスは手間です。ということで現在、メモ用紙と小型ペンを付けられるiPodケース(かつ薄型のもの)をそこらで探しています。
…手帳探しの前に記憶力を鍛えた方が早い気もしますが、身の回りのツールに妙に拘り過ぎてしまう所が、ガジェット好きの逃れられない罠と諦める今日この頃です。

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ED-MEDIA2008に参加(2008年07月09日)

先週ウィーンで開かれたED-MEDIA2008に参加しました。
私は「東大ナビ」関連で、同僚先輩のみなさんもそれぞれ発表。移動日含めて一週間、長い長い出張でした。

海外での発表は先日大連で経験済みでしたが、国際学会は初めてのため緊張しました。
表に出さないようにしていたのですが、何人かに発表数時間前(珍しく?)無口になっていたらしく、発表終了後に指摘され…はは(^^;


今回はモバイル系の発表やポスターを中心に見学しました。いくつかご紹介します。

お茶の水大学・刑部先生らのポスター発表。
モバイルPCを使い、幼稚園での子どもの様子を先生同士・参与者とReflectionできる写真や音声・コメントを残せるシステムです。
その場で簡易にに写真に付随するコメントを音やテキストで残せるよう、工夫がされていました。
他の発表含めて、記録にアノテーションをいかに付随させるか、をテーマにした研究がいくつか見られました。教材にしても授業記録にしても、残すメディアがリッチになるほど、後の振り返りや整理のトリガーとなる情報付与の工夫が求められます。

携帯電話の二次元バーコードを使い教材や標本の音声解説を提供するソリューション。
QRコードと同様のものを使っているようです。話を聞いてみると、海外でも使われ始めているとの事。海外ではMaxicodeなど他種のバーコードが主流かと思っていました。

他のセッションでもモバイル・Podcast利用の研究を中心に聞きました。
一つPodcastingをBlended learningに活用した実践の発表で、レクチャーの復習や自己学習のツールとしてPC視聴とPodcastingを比較して、学生にはPCの方が満足度が高かった、というある意味ネガティブな結果が報告されていました。パワーポイントなどスライドが含まれた教材だったため、小さな画面では見にくいなどのコメントが寄せられたそうです。
私は日頃より、オフィスで制作しているUT OCWなどのビデオコンテンツをiPodで見ていますが、スライドの見にくさは大変厄介な問題です。文字サイズを必ず一定以上にするなどガイドラインを作って制作していますが、解像度・画面サイズの小ささを回避するのは至難の業です。


モバイルな教材の持つ意味とはなんでしょう?
発表者は口を揃えて「iPhone/iPod touchが広まったら革新的な教材ができるね!」と将来を語っていましたが、そろそろデバイス依存でなく、モバイルを生かす環境や理論的な裏付けをベースに、何かできたらいいですね。
-- 意味とは探すのではなく、与えるものである -- と。

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リクルート社の「見切り」〜「R25/L25の秘密」セミナーから(2008年06月21日)

ここ一月ほど季節柄でしょうか、何かを学んだり生み出したりという活動が停滞気味でした。
これはいけません。脳内の新陳代謝を促そうと、先週都内で開かれたセミナーに参加しました。

講演「驚異のフリーペーパーR25/L25の秘密」
http://www.cyber-synapse.com/community/20080619/?ml=21

途中からの参加でしたが、リクルート社発行のフリーペーパー、R25/L25の生い立ちや戦略について貴重な話を聞けました。

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セミナーで語られた「秘密」の詳細はともかく、私が驚かされたのは、リクルート社の持つ「己を知る力」でした。
フリーペーパーのビジネスには広告掲載が必須です。彼らは自ら、販売促進力やコンテンツ編集での「強み」を持つ一方、広告宣伝力(具体的には広告出稿先の確保)に「弱み」があることを認識した上で、広告代理店と提携することで相互補完的な関係を築き、業界No.1のフリーペーパーを実現しました。これほどの企業でも、全てを抱え込まない「見切りの良さ」を持っていることが新鮮でした。

仕事上しばしば感じることが、自分の「長所」や「弱点」を見極めた上で仕事を進めることの大事さです。どうしても大学にいると物事を(一見)スムーズに進めるために「学内の多様なリソースを有効活用して…」などと言いつつ、内々で進めてしまいがちです。
しかし「餅は餅屋」と言うように、世間にはその道で先頭を走っているプロが山のようにいます。自らを万能と思い丸抱えするより、互いに補えるパートナを持ち助け合うことで、よりよいものを作り出すことも可能なはずです。

一方、このような仕事のスタイルには対話の力・交渉力が欠かせません。内々ならある程度以心伝心で(時に学内であっても意思疎通は困難ですが…)伝え合うこともできるでしょうが、外の「文化」の人たちには、我々が何を目指しているか、あなたに何を求めているのかを、相手が納得できるよう説明しなければなりません。大変骨の折れる作業ですが実はメリットもあって、このような機会からプロジェクトの目的や方向性が明確になることもしばしばです。


加えてリクルート社はR25/L25の立ち上げにあたり、社を上げた大規模なアンケートを行い、狙いのM1層(20-35歳)の嗜好や特性を十分に把握した上で企画を立ち上げています。
一見当たり前のことですが、「どんな取り組みを、だれに、どのように供すべきか」、研究活動においても、まず同定しなければならない問いです。

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異業種の知見でも、それが異質だからこそ学べることも多いように思います。

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